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Act 0
高3の夏。うざったい期末テストも終わって、長ったらしい校長の話を聞いて通知表からは死の宣告をされようやく待ってましたの夏休み。
高3の夏休みなんてお受験控えてりゃ受験戦争大詰め本番だったりするのだが、オレのようにテキトーに3流大学(あ、オレ勉強しなくてもそれなりな点数取れるから2流くらいならいけるかな?)に行こうとしている奴にとっては楽しい長期休暇だ。
18の夏っ!(っつってもオレ誕生日11月だからまだ17だけど)今年の夏はいつもと一味違う!何しろ初っ!彼女がいての夏休みっ!祭りでは浴衣着てもらって(チラリと見えるうなじが色っぽい)海に行ったらきわどいビキニ着てもらって(これはお約束)熱~い夜を過ごすのだっ!脱☆童貞!祝☆初体験!
なんて意気込んで彼女との待ち合わせ場所に急いだのだが……
「別れて欲しいの」
はい?
いや、もうホントに。晴天のヘキレキ?
満面の笑顔で(めちゃくちゃ可愛い)言われた言葉を理解するのを、俺の脳は必死で拒んでいる。
「一樹の他に好きな人できちゃってさぁ~。あたしその人と付き合うことになったのvだからゴメンネ?」
小首かしげて上目遣いで見上げてくる姿はマジで可愛い。ついでに大胆に開いた胸元から豊満なふたつのふくらみが覗くのがめちゃくちゃ色っぽい!
何て鼻の下伸ばしている場合やないやろっ!(何故に関西弁?)
「あの、好きな人って?え、付き合うの?」
どうにか搾り出した言葉はめちゃくちゃどもってる。
思考もちょっと混乱気味。まあ、あたりまえだわな。
「そう。先週から付き合うことになったのv」
「あ、そうなんだ。じゃあ、仕方ないよな。うん」
どこがどう仕方ないんだとかいう突っ込みを脳内でしながらオレは頷きましたよ。だってここで引き止めるなんてかっこ悪いまねできねーだろ?
なけなしのプライド総動員よ?
「あ~、でもせめてその相手の名前くらいは教えてくれる?」
どんな奴かちょっと興味あるし?
そういったら美紗子のやつ(あ、この女のコトね)はちょっと自慢げに言いやがった。
「桜北の藤代洸希くんっていうんだけど……さすがの一樹も知ってるよね?」
基本的にオレは他人に興味がない。ついでに噂話にも興味ねーからあんまり他校の生徒のことは、っていうか同じ学校、同じクラスの奴ですら知らないんだが、さすがにそいつの名前だけは知っていた。
私立桜ヶ丘北高等学校 藤代洸希。眉目秀麗、成績優秀、スポーツ万能、ついでに家はお金持ち。ここら近辺では文句なしの色男。言い寄る女は数知れず、付き合ってきた女も数知れない。
うわー、勝てねー。
オレはそのまますごすごと引き下がりましたよ。ふん。負け犬と罵ってくれても結構だ。
その後は友人知人悪友どもを問答無用で呼び集めて自棄酒飲んださ。
「ちくしょー!何が藤代洸希だ!何が金持ちだ!覚えてろよ美紗子の奴っ!オレだっててめーより可愛くて胸でっかくて(美紗子は脅威のDカップ)いい子Getしてやる~!」
野郎の胸に顔を埋めながらそう誓いましたよ(情けねぇ)
んでもって決行された「美紗子より美少女ゲットだぜ☆大作戦」。(ポ○モンの○トシくん風に言ってくれ)
女が男を何で評価するか?それは 1顔 2金 3学歴、肩書き だ。性格のよしあしだの、優しさだのんなの女は見てやしねぇっ!
で、1の問題。オレは別に不細工さんではないのでこれはクリアー?まあ、藤代みたいなきれーな男と比べられては困るが、それなりに整っているほうだと思う。身長も175はあるしぃ。合格だろ?
んで2は自分ではどうしようもないのでスルー。うちの親はどうせ共働きの普通のサラリーマンと事務職員ですよ~。
で、問題の3だ。
くっくっくっく……。別にオレは頭が悪いほうではないのだ。勉強しなくても平均点くらいは取れるしぃ~。今からでも勉強すりゃぁ一流大学に入れるさっ!(多分!)んで一流企業に就職してやるっ!
みてろよくそアマ!ちょーいい男になっててめぇーを見返してやる!