日々の戯言、腐女子的日記
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Act 1
「は?」
「あ?」
剛史と山脇は2人そろって大口開け、間抜け顔を晒したまましばし硬直する。
オレはその反応にびっくりなんですけど。
場所は大学の食堂。混雑する前に入ったから6人がけのテーブルを3人で占拠中。オレは自前の弁当だが、剛史と山脇は学食だ。
「どうしたんだ?一樹?」
「いきなり女紹介しろなんて」
いきなりって……
「つか、入学したときくらいに可愛い子紹介してやるって言ってたじゃん。なのに気がつけばオレだけカノジョなし。不公平だと思いませんかね?」
オレのセリフに2人は思い当たる節があるのだろう。ちょっとバツが悪そうな顔をした。
「あー、そういえば」
「そんなこと言ったっけかな」
忘れてたな、このやろう。自分が幸せだからって薄情な奴らだ。
「つか、カノジョ欲しいならコンパ行けばいいじゃん。谷村あたりがよくやってるの、誘いかかるだろ?」
同じ学部の谷村は何かと仕切り屋で顔も広い。その特性を存分に生かしてコンパや合コンなどを開きまくっている。確かにカノジョのいないオレと少し前までフリーだった剛史は谷村からよく誘いがかかっていた。まぁ、2人して断り続けていたが。
「苦手なんだよ、コンパとかって。知ってるだろ?」
なんってーの、初めて会った奴らで顔色伺いながら牽制しあい、気に入った子にアプローチっていうのがどうも苦手なんだよ。盛り上がらなかったら女の子に反感喰らうし、逆に可愛い子いなかったら男共は意気消沈する。
騒いだりするのは嫌いじゃないんだけどさ。
「っていわれてもなぁ。女友達なんて俺あんまりいないし、彼女の友達も皆彼氏いるみたいだしなぁ。剛史は?」
「んー、俺も同じく。彼女の友達って言っても俺の場合美紗子だしな。一樹、自分で美紗子にお願いしたほうが早いんじゃねぇか?」
2人してあまり色の良い答えが返ってこない。ちっ、使えねぇ奴らだな。てかさ、
「……美紗子って女友達いるのか?」
「…………」
オレの疑問に剛史が固まる。
「え?いるだろ。友達くらい」
山脇が不思議そうにそう言うが、それは美紗子を知らないから言えるセリフだ。山脇は高校で知り合ったし、美紗子とは高校別だったからな。美紗子の話題はよく出てたから名前は知っているが、あったことはないはずだ。
「いなさそうだな……」
「絶対いないだろ」
「え?何で?」
何でって、
「少なくとも中学時分、あいつが女友達といる姿を見たことはねぇ」
「ああ、美紗子の友達って全員男だったな」
「え?」
オレと剛史の言葉に、山脇の目が点になる。
「可愛かったからなぁ~、美紗子」
「あの時から胸もでかかったしな」
「一番モテてたんじゃねぇか?」
「同性からは嫌われてたよな、確か」
「カレシいなかった時なかったよな」
「常に誰かいたな」
「……それは」
嫌われそうだな。
発されなかった山脇のセリフは、しっかりとオレと剛史には届いていた。
「いるわよ。女友達」
またまたコーヒーショップに現れた美紗子に剛史がストレートに女友達はいるのかと聞けば意外な返答があった。てか、オレはバイト中なんですけどね。何でデートの待ち合わせをわざわざここにするんだよ。嫌がらせか?
ほんのりマイナス思考で変な勘繰りを入れてしまう。
「いるんだ……」
「へぇ……」
驚き半分疑惑半分、そんな感じの視線を剛史と2人で向ければ、美紗子はいささかむっとしたように眉をしかめる。
「何よ、失礼ね。あたしにだって同性の友達くらいいます~だ」
本当かよ。突っ込みそうになったセリフは何とか飲み込む。ここで突っ込んじゃ、機嫌は直らないからな。
「じゃあ誰か紹介してくれよ。可愛い子」
「いいけど……なんで急に彼女欲しいなんて言い出したの?」
別に急にじゃないんですけどね。
「周りにいたら欲しくなるだろ?それにもうすぐイベントの時期じゃん」
来月からクリスマスに正月なんてイベントがある。去年は受験だったし剛史も山脇もカノジョいなかったからオレも別に欲しいとは思わなかったんだけどさ。さすがにこのままいくと1人寂しい時間をすごす羽目になりそうだ。
「ん~そうねぇ。ナチはこの前彼氏できたっていってたし、みっちゃんは失恋したばっかりでしばらく男はいらないとか言ってたし、紗江子は今フリーのはずだけどあたしあの子正直嫌いなのよね~。あとは……山岸さん、はあんまり可愛くないわね。一樹紹介するのはちょっともったいない気がするし、静もちょっとデブってんのよね。それから……」
「……お前、それ本当に友達なのか?」
最初の2人くらいはともかく、後のは悪口ばっかり言ってる気がするんですけど。
「友達よ~。互いにボーイフレンドの数とか、どれだけ高価な物を貢がせたかとかよく競い合うし」
「それ友達じゃねーだろ!」
「友達よ。あたしの自尊心を満足させてくれる大事な友達なんだから!」
「いや、違うから!それ絶対違うから!」
どういう友人関係築いてるんだ、美紗子の奴。人事ながらちょっと心配するぞ。
せめてまともな友人1人くらいは作っとけよ。
「美紗子からの紹介もダメとなると……」
「やっぱ合コンしかねぇんじゃね?」
「だな。……あんま気は乗らねぇんだけどなぁ」
溜息混じりにオレがそう言えば、美紗子がとんでもない提案をしてきた。
「そんなに欲しいなら藤代に紹介してもらえば?」
「あ?」
藤代?何で?
「あいつ無駄に女友達は多いはずだから、1人や2人紹介してくれるんじゃない。しかも意外と面食いなところあるから、顔は期待できると思うわよ」
エスプレッソに口付けながらどうでもよさそうに美紗子は言う。てか自分で言いますかね?
あー、でも確かにあいつの携帯、女からのメールやら着信やらで履歴埋まってたな。盗み見たわけじゃないぞ?たまたま見ちゃっただけだぞ?
「そういや藤代と一緒にいる女の子って皆レベル高いよな」
言われてみれば。学部は違うが、たまに校内ですれ違うときがある。そのとき一緒にいる女の子たちはどの子もハイレベルな容姿をしていた……気がする。
「んー、一回聞いてみるかな……」
こうしてオレは自ら地雷地へと赴く羽目になったのだった。
「あ?」
剛史と山脇は2人そろって大口開け、間抜け顔を晒したまましばし硬直する。
オレはその反応にびっくりなんですけど。
場所は大学の食堂。混雑する前に入ったから6人がけのテーブルを3人で占拠中。オレは自前の弁当だが、剛史と山脇は学食だ。
「どうしたんだ?一樹?」
「いきなり女紹介しろなんて」
いきなりって……
「つか、入学したときくらいに可愛い子紹介してやるって言ってたじゃん。なのに気がつけばオレだけカノジョなし。不公平だと思いませんかね?」
オレのセリフに2人は思い当たる節があるのだろう。ちょっとバツが悪そうな顔をした。
「あー、そういえば」
「そんなこと言ったっけかな」
忘れてたな、このやろう。自分が幸せだからって薄情な奴らだ。
「つか、カノジョ欲しいならコンパ行けばいいじゃん。谷村あたりがよくやってるの、誘いかかるだろ?」
同じ学部の谷村は何かと仕切り屋で顔も広い。その特性を存分に生かしてコンパや合コンなどを開きまくっている。確かにカノジョのいないオレと少し前までフリーだった剛史は谷村からよく誘いがかかっていた。まぁ、2人して断り続けていたが。
「苦手なんだよ、コンパとかって。知ってるだろ?」
なんってーの、初めて会った奴らで顔色伺いながら牽制しあい、気に入った子にアプローチっていうのがどうも苦手なんだよ。盛り上がらなかったら女の子に反感喰らうし、逆に可愛い子いなかったら男共は意気消沈する。
騒いだりするのは嫌いじゃないんだけどさ。
「っていわれてもなぁ。女友達なんて俺あんまりいないし、彼女の友達も皆彼氏いるみたいだしなぁ。剛史は?」
「んー、俺も同じく。彼女の友達って言っても俺の場合美紗子だしな。一樹、自分で美紗子にお願いしたほうが早いんじゃねぇか?」
2人してあまり色の良い答えが返ってこない。ちっ、使えねぇ奴らだな。てかさ、
「……美紗子って女友達いるのか?」
「…………」
オレの疑問に剛史が固まる。
「え?いるだろ。友達くらい」
山脇が不思議そうにそう言うが、それは美紗子を知らないから言えるセリフだ。山脇は高校で知り合ったし、美紗子とは高校別だったからな。美紗子の話題はよく出てたから名前は知っているが、あったことはないはずだ。
「いなさそうだな……」
「絶対いないだろ」
「え?何で?」
何でって、
「少なくとも中学時分、あいつが女友達といる姿を見たことはねぇ」
「ああ、美紗子の友達って全員男だったな」
「え?」
オレと剛史の言葉に、山脇の目が点になる。
「可愛かったからなぁ~、美紗子」
「あの時から胸もでかかったしな」
「一番モテてたんじゃねぇか?」
「同性からは嫌われてたよな、確か」
「カレシいなかった時なかったよな」
「常に誰かいたな」
「……それは」
嫌われそうだな。
発されなかった山脇のセリフは、しっかりとオレと剛史には届いていた。
「いるわよ。女友達」
またまたコーヒーショップに現れた美紗子に剛史がストレートに女友達はいるのかと聞けば意外な返答があった。てか、オレはバイト中なんですけどね。何でデートの待ち合わせをわざわざここにするんだよ。嫌がらせか?
ほんのりマイナス思考で変な勘繰りを入れてしまう。
「いるんだ……」
「へぇ……」
驚き半分疑惑半分、そんな感じの視線を剛史と2人で向ければ、美紗子はいささかむっとしたように眉をしかめる。
「何よ、失礼ね。あたしにだって同性の友達くらいいます~だ」
本当かよ。突っ込みそうになったセリフは何とか飲み込む。ここで突っ込んじゃ、機嫌は直らないからな。
「じゃあ誰か紹介してくれよ。可愛い子」
「いいけど……なんで急に彼女欲しいなんて言い出したの?」
別に急にじゃないんですけどね。
「周りにいたら欲しくなるだろ?それにもうすぐイベントの時期じゃん」
来月からクリスマスに正月なんてイベントがある。去年は受験だったし剛史も山脇もカノジョいなかったからオレも別に欲しいとは思わなかったんだけどさ。さすがにこのままいくと1人寂しい時間をすごす羽目になりそうだ。
「ん~そうねぇ。ナチはこの前彼氏できたっていってたし、みっちゃんは失恋したばっかりでしばらく男はいらないとか言ってたし、紗江子は今フリーのはずだけどあたしあの子正直嫌いなのよね~。あとは……山岸さん、はあんまり可愛くないわね。一樹紹介するのはちょっともったいない気がするし、静もちょっとデブってんのよね。それから……」
「……お前、それ本当に友達なのか?」
最初の2人くらいはともかく、後のは悪口ばっかり言ってる気がするんですけど。
「友達よ~。互いにボーイフレンドの数とか、どれだけ高価な物を貢がせたかとかよく競い合うし」
「それ友達じゃねーだろ!」
「友達よ。あたしの自尊心を満足させてくれる大事な友達なんだから!」
「いや、違うから!それ絶対違うから!」
どういう友人関係築いてるんだ、美紗子の奴。人事ながらちょっと心配するぞ。
せめてまともな友人1人くらいは作っとけよ。
「美紗子からの紹介もダメとなると……」
「やっぱ合コンしかねぇんじゃね?」
「だな。……あんま気は乗らねぇんだけどなぁ」
溜息混じりにオレがそう言えば、美紗子がとんでもない提案をしてきた。
「そんなに欲しいなら藤代に紹介してもらえば?」
「あ?」
藤代?何で?
「あいつ無駄に女友達は多いはずだから、1人や2人紹介してくれるんじゃない。しかも意外と面食いなところあるから、顔は期待できると思うわよ」
エスプレッソに口付けながらどうでもよさそうに美紗子は言う。てか自分で言いますかね?
あー、でも確かにあいつの携帯、女からのメールやら着信やらで履歴埋まってたな。盗み見たわけじゃないぞ?たまたま見ちゃっただけだぞ?
「そういや藤代と一緒にいる女の子って皆レベル高いよな」
言われてみれば。学部は違うが、たまに校内ですれ違うときがある。そのとき一緒にいる女の子たちはどの子もハイレベルな容姿をしていた……気がする。
「んー、一回聞いてみるかな……」
こうしてオレは自ら地雷地へと赴く羽目になったのだった。
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